月刊コラム

対人関係療法とは

対人関係療法のイメージ対人関係療法とは

 

こちらのカウンセリングルームでは、人間関係で悩んでいらっしゃる方が多くいらっしゃいます。

そこで今回は、「対人関係療法」をご紹介します。

 

◆あなたの悩みの解決のヒントは…

 

対人関係療法とは、名前の通り、“対人関係”に注目した心理療法です。

私たちは日常の中にいろいろな“対人関係”を持ち、そこに身をおいています。

 

・自分以外の誰かとどのように関わっているか(仲よし?ちょっとイヤな感じ?etc…)

・自分以外の誰かの存在をどのように捉えているか(心地いい?うっとうしい?etc…)

これらを振り返るとき、頭にポワワ〜ンと浮かぶのが、“対人関係”です。

 

対人関係療法ではこの“対人関係”に注目するわけですが、とっておきのポイントがあります。

それは、

「あなたの悩みの原因は、対人関係にある」

ではなく、

「あなたの悩みの解決へのヒントは、対人関係にある」

というものです。

 

・・・うーん、ちょっと、むずかしいですね。

 

◆心のダメージは誰にでもあるけれど

 

「あなたの悩みの解決へのヒントは、対人関係にある」

ということを、なるほどね〜と分かっていただけるよう、AさんとBさんの例から説明していきます。

 

  • * * * * * * *

 

[泣けないAさん]

Aさんは、大好きな彼氏にフラれ、失恋をしてしまいました。

とっても大きなショックを受けました。

Aさんは、家族とは元々関係が薄く、彼氏がいることはもちろん内緒にしていました。だから、失恋したことも言えません。家ではどうにか普通でいようと頑張りました。本当は大泣きしたかった。でも泣くこともできない状況でした。次第に自室にこもるようになり、学校にも行けなくなってしまいました。

 

[泣けるBさん]

Bさんは、大好きな彼氏にフラれ、失恋をしてしまいました。

とっても大きなショックを受けました。

Bさんは、家に帰ると家族の前で大泣きをしながら、「フラれた」と話しました。家族がなぐさめてくれるうちに、悲しいばかりでなく、楽しい思い出もたくさんあったと気づきました。次第に、Bさんは何か他に夢中になれることを見つけようと、仲間とよく出かけるようになりました。Bさんは彼との楽しかった思い出を大切にしながら、また新たな楽しみも見つけることができました。

 

  • * * * * * * *

 

AさんとBさん、どちらも「失恋」というショックな出来事にあっていますね。

それでも、ふたりのその後の回復に違いがあるのは、

・自分の素直な気持ちを話せる家族がいたか

・楽しい時間を一緒に過ごせる友だちがいたか

など、各々を取り巻く“対人関係”に違いがあるからです。

 

つまり、心がダメージを受けた原因は「失恋」である点は共通ですが、

その後いかに傷が癒えるか、いかに問題が解決していくかは、「どのように人と関わることができたか」によるということです。

 

私たちは皆、生きていれば心がダメージを受けることはあります。でも、そんな時に対人関係が安定している・良好である場合、心がまた元気になる力をもらうことができるのです。

 

◆対人関係を見直すと自分も周りも楽になる

 

泣けないAさんや家族、友だちが悪いわけでもありません。

でも、Aさんにとって身近な家族ともっとありのままの気持ちを話しやすい関わり合いをしてきていれば、もっと楽だったのかもしれません。

 

“対人関係”は、一人では成り立ちません。誰か一人だけのせいで悪くなったり良くなったりするものでもありません。自分と、他の誰かが一緒にいてこそ、お互いが影響しあってこそ、“対人関係”は変化するのです。

 

 

◆特に重要な人はだれ?

 

私たちはいつも様々な対人関係の中に身をおいています。

その中でも特に重要な人は、誰でしょうか。

“重要”は、“大切”、“大事”と少し似ているようで似ていない場合もあります。

対人関係療法は、関係そのものがあなたに最も近く、人生の中で極めて重要な役割にある人との現在の関係を重要な人として扱います。

 

パートナーにゾッコンの場合、

“大切”、“大事”であることはもちろん、パートナーがもし事故にあったらどうしようと不安で仕方ない、自分の生活の多くを彼女に注いでいるなどであれば、“重要”な存在であると言えます。

 

母親のことがあまり好きではない場合、

“大切”という感覚は抱きにくいけれど、母親の言動で自分は大きく影響を受けるのであれば、“重要”な存在であると言えます。何か心がダメージを受けた時、その“重要な人”との関わり方を振り返ります。

対人関係療法は、対人関係の重要度を1番「家族・恋人。親友」、2番「友人・親戚」、3番「仕事上の人間関係」の3段階に分けて、精神的に傷ついた時こそ1番の重要な人との関係を手抜きせず大切にします。そして優先順位が逆転していないかを見直すことから回復へのヒントを見出したり、その“重要な人”との関わりをより良くします。

 

 

◆短期間で、効果は長い

対人関係療法のカウンセリングでは、まずは状況をお聞かせいただき、そして、回復への作戦を立てます。この作戦のおかげで、他の心理療法に比べて短期間で回復が期待できると言われています。さらに、誰もが日常的に身をおく“対人関係”について取り組むため、その効果は今後の対人関係にも応用できます。

 

今回は、人との関わりに注目する「対人関係療法」をご紹介しました。

どのようなお悩みの場合も、あなたがあなた以外の誰かと関わっていることは確かです。そこからヒントを得て、心の元気を取り戻していきませんか。

 

〈関連記事〉

対人緊張 社会不安障害

投稿日時:2020年6月1日

決断できない~本当の問題は何?

決断ができない人の特徴と問題

カウンセリングにいらっしゃるクライアントの中には、何かを決断しようとすると悶々としたまま身動きが取れなくなってしまったけれど、どうして動けないのかが理解できないという方が多くいらっしゃいます。

いくら頑張ってもフリーズしたまま時だけが流れていく恐しい体験はありませんか?

 

 

  このような時は問題が隠れている場合が多く、決断しようとしている物事が本当の問題ではないのかもしれません。

  例えば大事な決めごとをしなければいけないのに深く考えつづけて、どうしても決められないという方がいらっしゃいます。あれこれと考えがいつも頭から離れないのにも悩まされます。

  こうしたクライエントさんとはカウンセリングですぐにわかるのですが、物事を決められずに苦しんでいるのは、過去の出来事に関連した恥ずかしさや屈辱から来ている症状によるもので、心の奥に例えば「失敗するのが怖い」といった恐れの感情が物事によって、本当の問題としては目立たなくなっているためなのです。その感情さえなければ決められるのです。

  自分を信頼できないという感情が隠れている場合もあります。今まで何かを判断する観点が周りの人達のふるまいで、自分のではないといった他人基準の思考パターンは、自分の決断を信頼できるはずがないという考えに陥って決められなくなります。

  また、決断したとしてもその後に起こることを引き受けられそうにないというケースもあります。

  本当の問題を正しくとらえると、問題を生み出している記憶を見つけられます。その記憶が見つかれば一つ一つを抽出して処理していくと身動きがとても楽になります。

  そこを銀のすずプレミアムは、スムーズにメンタルサポートを提供したいと願っています。

 

 

投稿日時:2020年5月20日

新型コロナウイルスが引き起こす家庭内の問題

こんにちは。札幌ストレスカウンセリング銀のすずPremiumです。GWも「ステイホーム―おうちにいよう―」が継続されそうな気配ですね。

 

今回のテーマは「コロナDV」「コロナ離婚」「家庭内不和」などなど。新型コロナウイルスが引き起こす家庭内の問題について、役立つ情報をお届けします。

 

そもそもDVとは?

最近よく耳にする「DV」。正しい意味を知っていますか?言葉の印象から、身体的な暴力のみを連想される方が多いかもしれませんが、正しくは心理的、経済的、性的なものも含む、家庭内暴力の総称です。また、夫婦間だけでなく、内縁のパートナーの間で行われるものや、子どもから親への暴力もこれに該当します。

従来のDVについては、当院ホームページ【夫婦関係・恋人関係の悩み】のコーナーもご参照ください。コチラ⇒https://www.ginsuzu.jp/example/nayami-12

ここで注意したいのが、DV等々の問題はコロナの流行に関わらず、以前から一定数あったということです。ではどうして、DVや離婚、家庭内不和といった家庭内の諸問題がコロナ禍に頻発しているのでしょう?

 

コロナ禍で家庭内の問題が生じやすいメカニズム

新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う外出自粛は、各家庭に様々な変化をもたらしています。

いつも仕事や学校でいない家族と一緒に過ごすことが増えれば、生活リズムにも変化が生じるでしょう。家事や子育ての負担も増えることが予想されます。外に働きに出ていた方はテレワークの効率の悪さにストレスを感じるかもしれません。そもそも、「仕事に出る」ということは、家庭の外に自分だけの世界を持つことでもあります。そうした世界が、一時的であってもなくなることで、心のバランスが崩れてもおかしくありません。

また、いつ収束するとも知れない毎日の中で、家庭の経済的な不安も日に日に大きくなっていく…。ストレスはたまる一方なのに、遊びや仕事は制限され、気持ちの整理が難しいのが現状です。

こうしたストレスフルな環境では、もともとあった家族への不満に気づきやすい心理状態へと陥ります。そして、不安定な社会への行き場のない苛立ちや怒り、不安といったネガティブな感情が、家族への不満と一緒になって、家庭内の弱い者へと向かいます。結果、DVが深刻化したり、医療崩壊だけではなく家庭崩壊までが深刻となり…といったまさにコロナのおかげでネガティブ感情の感染者が増加して、さまざまな問題が起こってきていると推測されます。

 

コロナに負けない「家庭力」を高めるために

ここからは、コロナ禍という異常事態に負けない家庭を作っていくために、今できることを2つお伝えしたいと思います。

一つ目は、いつも以上に夫婦間でのコミュニケーションをとることが大切です。コロナ禍では、外出自粛の程度や利用する保障制度など、家族で足並みをそろえる必要のある事柄が多く生じています。自分の「当たり前」が相手は「ありがとう」という言葉を期待しているなど夫婦間で違うことも少なくありません。こうした時だからこそ話し合いを通してお互いの考えを共有し、すり合わせていくことが大切です。家族であっても、お互いを自立した個人として敬意を払う姿勢を意識することは、家庭内の問題に対する有効な予防策となります。

二つ目は、心理的、物理的にソーシャルディスタンスを十分に保つことです。普段からそれほど良好な関係でなければ、長時間顔を合わせるからと言って無理にコミュニケーションをとることを避けた方が良い場合もあります。普段していないのですから下手に決まっています。つい地雷を踏んで起こさなくてよい問題が起きやすくなります。

この外出自粛期間、家族が穏やかに過ごすためにお互いにとってちょうど良い距離感の見極めが必要です。

 

また、ストレスが限界に達したときは、外に助けを求めることが大切です。「外」とは、実家の家族や、親戚、友人、公的な相談機関、あるいは当ルームでも構いません。家族ではない他者と話し、心の風通しを良くしましょう。家族以外の考えをきいたり、助言を受けることは、状況の打開につながるだけでなく、ご自身のストレスマネジメントとしても有効です。特に、DVでは被害が深刻化する前に専門機関に相談することが大切です。当ルームでは、DV家庭が給付金を夫婦別で受け取る方法など、現実的な問題への解決方法についても適切に情報提供させていただきます。

最後に。先の見えない今、不安なお気持ちはとてもよくわかりますが、コロナは必ず収束します。心理学の世界では、精神が不安定な状態で、お金の貸し借りや、高額な買い物、結婚や離婚といった今後の人生に関わる大きな決断はしないことを推奨しています。心が不安定な状態では、だれしも物事を冷静に考えることが出来ず、自分なりに最適な判断をすることが難しいからです。今はまさに、社会全体が〇〇崩壊で、だれもがふわふわとしている状態。例えば、離婚するか/しないか、という現実的な決断は少し先送りして、その背景をじっくり考えることをおすすめします。

ひとりで考えるのが難しいと感じたら、ぜひご相談ください。一緒に考えていきましょう。家族の問題に直面してしまった時は、今までのご自身の歴史や家族の絆をこれからに紡いでいく良い機会と捉えてみましょう。

参考ページ:夫婦関係 恋人関係の悩み

参考資料:『新型コロナウイルス流行時のこころのケアversion1.5』(緊急時のメンタルヘルスと心理社会的サポート(MHPSS)に関する機関間常設委員会(IASC)リファレンスグループ, 2020)、『新・心理学の基礎知識』(中村義明・繁桝算男・箱田裕司編,2005)、

『DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル』(日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳),2014)

投稿日時:2020年5月5日

心の不調~コロナうつ~

 

こんにちは。札幌ストレスカウンセリング銀のすずPremiumです。新型コロナウイルス感染拡大に伴う自粛要請の長期化で、ストレスを感じている方も多いのではないでしょうか?

 

新型コロナウイルスは、身体だけでなく、私たちの心にもさまざまな不調を引き起こすものです。今回は、最近ニュースでもよく耳にする「コロナうつ」をテーマに、役立つ情報をお届けします。

 

そもそも「うつ」って?

「うつ」とは、気分障害の一種で、意欲の低下や落ち込み、不眠・食欲不振などを特徴とするこころの病気です。

「やる気がおきない」「なんとなく気分が沈む」といった状態は、誰しも一度は経験したことがあると思います。こうした一時的な気分の波は、健康な人にも起こる一般的なことで、うつではありません。うつによる気分の落ち込みと、一般的な気分の落ち込みを見分けるコツは、「それによって日常生活に支障をきたしているかどうか」と考えるとわかりやすいと思います。例えば、食事や起床、人との会話といった日常の何気ない動作にも苦痛やおっくうさを感じたら要注意です。精神科で用いられる精神疾患の診断ガイドには、「言葉では表現しようがないほどつらい沈んだ気分または興味・喜びの喪失が、ほとんど1日中ほぼ毎日2週間以上続き、仕事や日常生活の困りごとがでてきてしまう」状態と記されています。

 

新型コロナうつとは?

「コロナうつ」という言葉とともに、コロナがもたらす心の健康被害にも注目が集まるようになりました。

「コロナうつ」とは、新型コロナウイルスによる心の不調が増えてきたことを受けてメディアによって造られた言葉です。もともとは、コロナへの不安を訴えて精神科を受診する人が増えたことを表した言葉でしたが、現在では「コロナをきっかけにうつに類似した症状が出ている状態」といった幅広い意味で使われることが多いようです。

「コロナうつ」は、精神科診断のくくりで見ると、反応性の抑うつと捉えることが出来ます。反応性の抑うつは、外的なストレス因がきっかけで起こるうつ症状で、症状は比較的軽く、広範囲(同様の状況下の多くの人)に見られることが特徴です。ストレス因となる状況が改善されると、症状も好転しやすいことも言われています。


コロナ自粛要請から心理的な影響を受けているクライエントと自分の心の声から下記に色々とまとめてみました。

 

不要不急からの無価値感 

 

「不要不急の外出は自粛してください。」馴染んだ言葉となりました。

業種によって減収、労働時間の短縮、休暇日数の増えた方も多いですね。

この状況が続くと、重荷と思っていた仕事が世の中にはあってもなくても良かったのか、実は私そんなに必要はなかった?自身の存在、仕事の軽さに無価値観、疎外感を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

無価値観は 代表的なうつ症状の一つです。コロナウイルスによる状況の変化が原因で大事にしていたものを失った気分がトリガーとなって、自分を小さく見積もってしまう妄想といえます。精神医学では微小妄想と呼ばれています。

考えればカウンセラーという職業も含め、最低限生きるには衣食住以外は不要な仕事ばかりなのですが・・これは妄想に違いないと言い聞かせましょう。

 

することが無くて、燃え尽き症候群

 

忙しい毎日を過ごしていた時は、「もし欧米のように長く休めたらアレもコレもできるのになー」ごろごろーと空想していたのに予想外に長い休みが現実になると、お店も開いてないし、本当にしたいことがないと心にぽっかりと穴が空いて何もしたくなくなっている…。

強度のストレスがかかる仕事や、過度の緊張とストレスがかかる環境にいた場合や、

努力の結果 目標を達成したあとに生じる落ち込んでやる気が出ない状態を燃え尽き症候群(バーンアウト)といいます。

 

こういう時は無理にしたいことを見つけようとする必要はありません。
ぼんやりと数年後の夢を空想してみる、疎遠だった友人に連絡してみる(暇なはず)、一日中瞑想して自分を顧みる(かなり辛いです)、美味しいと思うものだけ食べる、あらゆる情報を一日遮断してみるなど、自分が普段しそうにない静かな時間を過ごすおそらく二度とない機会ですね。

 

なんだか不安だな~、大量飲酒

 

何かと不安になりがちな脳内ではセロトニン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質が少なくなり、理由を付けて手っ取り早く快楽を得ようとついお酒で紛らわす私や他の方もいらっしゃいます。。

酒類販売メーカーによると、家庭用の売り上げが約8%増加、特にアルコール度数が高いお酒が売れているらしいです。飲食店の閉鎖とストレスによる家庭内飲酒が増えてきたと分析しているようです。またYHOOのみんなのアンケートでは、約34%の人がコロナ前と比べて飲酒量が増えたと回答しています。

以前と比べて飲酒量と飲み始める時間が早くなったら注意しましょう。

 

適量を超えるアルコール摂取は習慣飲酒、依存につながります。元の状態に戻すための新たなストレス要因になりますし、毎日続くと家庭内の雰囲気も何かと悪くなってませんか?

飲酒量をセルフチェックして可視化しましょう。居間のカレンダーに飲酒量を「多」、「普通」、「小」「無」と赤ペンで記入しておくと家族と共に飲酒量をコントロールすることができます。

 


コロナうつかも?と思ったら

現在は世界規模で災害レベルのストレス生活が続いている状況です。どんな心の不調が生じてもおかしくありません。また、同様の状況でもストレスの感じ方、反応の出かたには大きな個人差があるもの。心も身体も「なにかおかしいな?」と思ったら、無理せず休ませることが大切です。

 

それでもいっこうに改善しない気分の落ち込みや意欲の低下は「コロナうつ」の可能性があります。当院のホームページにも抑うつ状態の重症度を測るテストを掲載していますのでご活用ください。

 

【コロナうつチェック】

https://www.ginsuzu.jp/archives/3053

 

うつは、専門家の支援がないと改善が難しいと言われています。自分なりにあれこれ試してもエネルギーを消費するばかりで回復せず、焦りや自己嫌悪の悪循環におちいりかねません。「コロナうつかも?」と思ったら、一人で悩まず、まずは一度ご相談ください。一緒に楽になる方法を探していきましょう。


カウンセリングでできること

最後に、コロナうつに対して、カウンセリングでできることを少しだけご紹介します。

カウンセリングでは、どのような心の不調に対しても、「見立て」という作業を行います。「見立て」とは、相談者さんのお話を丁寧に聴きながら、その問題がどのようにして生じているか、どのようにアプローチすれば効果的か専門的な視点で考察することです。

例えば、コロナうつと一口で言っても、問題の背景には様々な要因が考えられます。「コロナにかかってしまうのではないかという不安」「家庭内で思うようにストレスが発散できない状態」「家族や友人に会えない環境」「外出の自粛で密になった家族関係」などなど。たくさんの要因が考えられるでしょう。

「コロナにかかるかも」、「うつしてしまうかも」といった「不安」は、このご時世もっともなものですが、それによって生活がままならないほど困っているのであれば、認知行動療法という技法を用いて「考え方」にアプローチしていくのが解決のカギかもしれません。実際に起きてはいないことを不安に思ってしまうのは、心理学の世界では「予期不安」と呼ばれる、考え方のくせのひとつです。

外出自粛で上手くストレス発散が出来ないという、現実的な問題がネックなのであれば、家庭でできる具体的なストレスマネジメントを一緒に考えていくことが大切になりそうです。

あるいは、コロナ禍という特殊な環境の中で、もともとあった家族関係の問題が顕在化してきた、ということも考えられます。その場合は、精神分析や家族療法といった専門的な技法を用いて、核となる問題をひも解いていく必要があるでしょう。

このように、心の問題の背景とそれに対して必要なアプローチはまさに十人十色です。銀のすすPremiumでは、「コロナうつ」「コロナ不安」といった漠然とした言葉の背景にある、ひとりひとりの心に真摯に寄り添うカウンセリングを目指しています。感染対策にも万全を期していますので、安心してご相談ください。

参考ページ:鬱(うつ)病 気分の波を改善するカウンセリング

参考資料:『新型コロナウイルス流行時のこころのケアversion1.5』(緊急時のメンタルヘルスと心理社会的サポート(MHPSS)に関する機関間常設委員会(IASC)リファレンスグループ, 2020)、『新・心理学の基礎知識』(中村義明・繁桝算男・箱田裕司編,2005)、

『DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル』(日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳),2014)

投稿日時:2020年5月3日

抑うつ症状のセルフチェックをしてみましょう。

人口の約4割が札幌に集中する北海道のうつ病・躁うつ病の地域別罹患率は、全国ワースト5にランクインされています。(厚生労働省が3年ごとに行う近々のデータによる)

受診するほどではないけど隠れた心のケアを必要としている方は多いと予想されています。

最近では新型コロナウイルスの影響で、休業、休校、外出自粛要請など環境や生活パターン、経済状況

が精神が気づかないうちに抑うつ状態になっているケースもあります。

 

しかしメンタルヘルスについては、目に見えず他人との比較はしにくいものですし、心と体に不調を感じても、どの程度疲れているのか果たして相談に行く必要があるものなのか迷いますね。

 

心が疲れて元気がでない日が続いている時は、生活リズムや体調にも何かしらの変化が現れます。
自分では気づかないうちに怒りっぽくなったり、悲観的な考えや行動を周りの人から指摘され初めて気づくこともあります。

 

これらの心理状態は最近耳にするコロナうつ、コロナ離婚、コロナDV、家庭内虐待、多量飲酒などの結果をまねく要因となっていると報じられています。

新型コロナウイルスの影響によるストレスについては随時コラムに詳しくアップしていく予定です。

 

抑うつに話を戻しますが、気分が沈んでいる、なんとなく元気が出ない感じで収まっていれば自然に元へ戻る可能性はあります。しかし、一見いつものように振舞えても柔軟な考え方ができなくなった、外の世界への関心が持てなくなった、一人でいると悲しくて涙が出てくるような抑うつ状態になると心のケアが必要です。
(臨床では抑うつ気分と抑うつ状態は区別がされていますがここでは省略します)

 

抑うつは経験がない人には苦しみは理解しがたいものです。

例えば心がザワザワする、じっとしていられない(焦燥感)、部屋の中を歩き回る、動画やゲームに没頭していないと不安で落ち着かない、しなくてはいけない事が空回り、考えの堂々巡りが続きます。
これが始まると一人ではどうすることも出来ないもので、誰かに助けを求めたくなりますが理解がされにくいものです。抑うつ症状が繰り返されていたり、程度が軽くともメンタルヘルスケアのために心理師など専門のカウンセリングを受けてみるのが良いでしょう。

そこで客観的に抑うつ状態を知ることができる簡易テストを用意しましたのでチェックしてみましょう。

 

簡易抑うつ症状尺度(Quick Inventory of Depressive Symptomatology:QIDS -J)は、16 項目の自己記入式の評価尺度で、アメリカ精神医学会の診断基準 DSM-IV の 大うつ病性障害(中核的なうつ病)の診断基準にも対応しています。

〈採点方法〉

睡眠に関する項目(第1-4項目)、食欲/体重に関する項目(第6-9項目)、精神運動状態に関する2項目(第15、16項目)は、それぞれの項目で最も点数が高いものを1つだけ選んで点数化します。

それ以外の項目(第5、10,11,12,13,14項目)は、それぞれの点数を書き出します。 うつ病の重症度は、睡眠、食欲/体重、精神運動、その他 6 項目を会わせて 9 項目の合計点数(0点か ら27点)で評価します。

 

 

日本語版自己記入式・簡易抑うつ症状尺度

(Quick Inventory of Depressive Symptomatology:QIDS -J)

〈睡眠について1~4〉

1.寝つき

0.問題ない(または、寝付くのに30分以上かかったことは一度もない)

1.寝つくのに30分以上かかったこともあるが、一週間の半分以下である

2.寝つくのに30分以上かかったことが、週の半分以上ある

3.寝つくのに60分以上かかったことが、(1週間の)半分以上ある

 

2.夜間の睡眠

0.問題ない(夜間に目が覚めたことはない)

1.落ち着かない、浅い眠りで、何回か短く目が覚めたことがある

2.毎晩少なくとも1回は目が覚めるが、難なくまた眠ることができる

3.毎晩1回以上目が覚め、そのまま20分以上眠れないことが、
(1週間の)半分以上ある

 

3.早く目が覚めすぎる

0.問題ない(または、ほとんどの場合、目が覚めるのは、
起きなくてはいけない時間の、せいぜい30分前である)

1.週の半分以上、起きなくてはならない時間より30分以上早く目が覚める

2.ほとんどいつも、起きなくてはならない時間より1時間早く目が覚めてしまうが、
最終的にはまた眠ることができる。

3.起きなくてはならない時間よりも1時間以上早く起きてしまい、
もう一度眠ることができない

 

4.眠りすぎる

0.問題ない(夜間、眠りすぎることはなく、日中に昼寝をすることもない)

1.24時間のうち、眠っている時間は、昼寝を含めて10時間ほどである

2.24時間のうち、眠っている時間は、昼寝を含めて12時間ほどである

3.24時間のうち、昼寝を含めて12時間以上眠っている

 

1から4までの小計〈  〉点

 

 

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5.悲しい気持ち

0.悲しいとは思わない

1.悲しいと思うことは、半分以下の時間である

2.悲しいと思うことが半分以上の時間ある

3.ほとんどすべての時間、悲しいと感じている

 

〈  〉 点

 

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〈食欲と体重について 6~9〉

 

6.食欲低下

0.普段の食欲とかわらない、または、食欲が増えた

1.普段よりいくぶん食べる回数が少ないか、量が少ない

2.普段よりかなり食べる量が少なく、食べるよう努めないといけない

3.まる1日(24時間)ほとんどものを食べず、食べるのは極めて強く
食べようと努めたり、誰かに食べるよう説得されたときだけである

 

7.食欲増進

0.普段の食欲とかわらない、または、食欲が減った

1.普段より頻回に食べないといけないように感じる

2.普段とくらべて、常に食べる回数が多かったり、量が多かったりする

3.食事の時も、食事と食事の間も、食べ過ぎる衝動にかられている

 

8.体重減少(最近2週間で)

0.体重は変わっていない、または、体重は増えた

1.少し体重が減った気がする

2.1キロ以上やせた

3.2キロ以上やせた

 

9.体重増加(最近2週間で)

0.体重は変わっていない、または、体重は減った

1.少し体重が増えた気がする

2.1キロ以上太った

3.2キロ以上太った                                                                               

 6~9までの小計 〈  〉 点

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10.集中力/決断

0.集中力や決断力は普段とかわりない

1.ときどき決断しづらくなっているように感じたり注意が散漫になるように感じる

2.ほとんどの時間、注意を集中したり、決断を下すのに苦労する

3.ものを読むこともじゅうぶんにできなかったり、小さなことですら決断できない
ほど集中力が落ちている

〈  〉 点

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11.自分についての見方

0.自分のことを、他の人と同じくらい価値があって援助に値する人間だと思う

1.普段よりも自分を責めがちである

2.自分が他の人に迷惑をかけているとかなり信じている

3.自分の大小の欠陥について、ほとんど常に考えている

〈  〉 点

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12.死や自殺についての考え

0.死や自殺について考えることはない

1.人生が空っぽに感じ、生きている価値があるかどうか疑問に思う

2.自殺や死について、1週間に数回、数分間にわたって考えることがある

3.自殺や死について1日に何回か細部にわたって考える、または、
具体的な自殺の計画を立てたり、実際に死のうとしたりしたことがあった

〈  〉 点

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13.一般的な興味

0.他人のことやいろいろな活動についての興味は普段と変わらない

1.人々や活動について、普段より興味が薄れていると感じる

2.以前好んでいた活動のうち一つか二つのことにしか興味がなくなっていると感じる

3.以前好んでいた活動に、ほとんどまったく興味がなくなっている

〈  〉 点

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14.エネルギーのレベル

0.普段のエネルギーのレベルと変わりない

1.普段よりも疲れやすい

2.普段の日常の活動(例えば、買い物、宿題、料理、出勤など)をやり始めたり、
やりとげるのに、大きな努力が必要である

3.ただエネルギーがないという理由だけで、日常の活動のほとんどが実行できない

〈  〉 点

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15.動きが遅くなった気がする

0.普段どおりの速さで考えたり、話したり、動いたりしている

1.頭の働きが遅くなっていたり、声が単調で平坦に感じる

2.ほとんどの質問に答えるのに何秒かかかり、考えが遅くなっているのがわかる

3.最大の努力をしないと、質問に答えられないことがしばしばである

〈  〉 点

16.落ち着かない

0.落ち着かない気持ちはない。

1.しばしばそわそわしていて、手をもんだり座り直したりせずにはいられない

2.動き回りたい衝動があって、かなり落ち着かない。

3.ときどき、座っていられなくて歩き回らずにはいられないことがある

〈  〉 点

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(以上です)

 

合計 〈  〉 点

 

原版 QIDSでは、点数と重症度は下記のようになっています。

0 - 5   正常

6 -10   軽度

11-15  中等度

16-20  重度

21-27  きわめて重度

 

合計点を算出することでうつ状態の変化を見ることができます。

6 点以上の場合にはうつ病の可能性があるとされています。まずご相談してください。

 

投稿日時:2020年5月1日

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